2005年 アメリカ本作は珠玉の障がい者ドキュメンタリーです。
この作品が
いままでの障がい者ドキュメンタリーと根本的に違うのは、障がい者を扱いながらも、堂々と「娯楽」作品にしている事です。
福祉関連のジャンルは、非常に繊細なテーマなので、扱いに気をつけないと作り手の善意が誤解されてしまったりして、とてもリスキーです。
僕自身、障がい者ドキュメンタリーを4本作らせていただいた過程で、真面目に作ってるのにも関わらず、よく分からない罵詈雑言を浴びせられた事があります。
だから多くのフィルムメーカーは、一般社会と福祉の溝を埋める骨太な作品を作るのに、腰が引けてしまうんです。
でも僕は、今の時代だからこそ、福祉は「エンターテインメントの最後の砦」と考えています。
障がい者の方々とおつきあいしてみると、彼らがどれだけフツーで、どれだけ能力に溢れていて、どれだけクリエイティブで、そしてどれだけ楽しくて元気をいただける存在かが分かります。
本作「マーダーボール」は、身体障がい者によるラグビーを扱いながら、骨太な人間ドラマを形成し、クールな映像と音楽で娯楽作品として真っ向勝負した(MTVが資本参加しているだけあります)、賞賛すべきドキュメンタリーです。
福祉とエンターテインメント、全く結びつかないものだけに、面白いと思います。
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