2008年8月15日金曜日

002 スタンドアップ


監督:ニキ・カーロ
主演:シャーリーズ・セロン
2005年 アメリカ

とっっっても良い作品でした。
史上初のセクハラ裁判の発端になった炭坑会社での戦う女性を描いたストーリーですが、脚本、演技、演出、映像、、、と、とってもハイクオリティで、そして「泣ける」社会派映画としてうま〜くまとまっていると思います。特に女性は必見ですね。

この映画からは、メタファーの大切さを改めて学べました。

その昔、アリストテレスが

「思考の最上の形式は、論理でも分析でもなく、メタファー(暗喩)である。メタファーの天才が本当の天才。」

というような事を言われたそうですが、どうやら、多くの人に支持される物事は、メタファーという概念と、切っても切れない縁があるような気がします(一番の代表例が「太陽」を使った日本国旗かもしれませんね)。


そして「スタンドアップ」はたくさんのメタファーをストーリーにうまく食い込ませている点が、とてもクリエイティブだと思いました。

原題の"North Country"という、寒い雪国で行われる非人間的な行為、そこにいる炭坑夫の男達は、石炭のようにどす黒く、古くて頭が固い。日本版タイトルの「スタンドアップ」は、本編中のとても重要なシーンの内容ですが、様々な立場のキャラクターにとっての「スタンドアップ(立ち上がる)」だったりするわけですね。

シャーリーズ・セロン演じる主人公の女性にとって、父親のいない息子の存在は嫌な過去を思い出させる存在であったり、、、、という感じで、ある物事・シーン・存在に、本来の意味とは別の意味が存在している事が、ひじょ〜に多い映画のような気がしました。その他にもたくさんあったんですが、、、、もう忘れてしまいましたね(笑)。

このように、映画というのはたっくさんのメタファーから出来上がっていて、それは何も映画だけでなく、生活の中には無数のメタファーがあり、無意識のうちに、「それってイイ!!」となる事には、メタファーが絡んでいる事が多くあります。

ようやく始まったオリンピックに多くの人が熱狂するのは、それが単なるスポーツではなく、夢や感動と言った別のメッセージがあるからであり、多くの人が長年のローンを組んでまで家を購入したいと考えるのは、それが「住む場所」以上の論理と感情という「メタファー」が渦巻いているからですよね。


このメタファーという概念はビジネスでも全く同じで、車は人によって別の意味があり、チョコレートに告白の意味が付加されたり、、、という感じで、メタファーを意識した商品開発、企画、ネーミングなんかを考えてみると、役立つかもしれません。

まずは机の周りにあるメタファーを探してみませんか?
結構、良いアイデアが浮かぶと思いますよ。



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